高卒認定試験「公共」―勉強法と試験概要
高卒認定試験において、公共は必須科目となっていますが、どのように勉強を進めていけばよいか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。特に不登校の方は、長期間学習から離れている場合も多く、そもそも公共がどんな科目なのかも知らないという方もいらっしゃるかと思います。この記事では、高卒認定試験における公共の学習内容や試験範囲について詳しく解説します。


1. 公共とは?どんな科目?
公共とは、令和4年に新設された社会系科目です。社会系科目は「地理」「歴史」「公民」の3分野に分けられますが、公共はその中で「公民」分野に該当します。
◯ 現代社会の代わりに新設された科目
これまでの高校社会の公民分野は「現代社会」「倫理」「政治経済」の3科目で構成されていましたが、新指導要領では「現代社会」に代わって「公共」が新設されました。
◯ 現代社会との違い
公共では、暗記中心の学習よりも資料やグラフを読み取る能力が重視されます。これまでの「現代社会」では知識を問う問題が多かったのに対し、公共では資料を分析し、判断力を発揮する問題が中心となっています。
2. 高卒認定試験の概要と出題範囲
高卒認定試験における公共の出題範囲は、高校の「公共」の教科書に基づいており、難易度は中学から高校1年生レベルです。高校入試や大学共通テストよりも難易度が低く設定されているため、勉強が苦手な方でも安心して取り組むことができます。
合格の目安は、40~50点程度とされています。合格点はそこまで高く設定されていないので、もし苦手な分野があっても、合格を目指すことができます。
試験概要 | |
試験日時 | 第1回:8月7日(木)/第2回:11月8日(土) |
問題数 | 20~25問程度 |
問題形式 | マークシート方式(記述問題なし) |
合格点の目安 | 40点程度 |
参考:文部科学省HP – 高等学校卒業程度認定試験における試験科目、合格要件、出題範囲の変更等について(令和6年1月31日更新)
3. タイプ別の勉強方法
中学社会に自信がない方
まずは中学社会の公民分野の復習から始めるのがおすすめです。 暗記は重視されていないとはいえ、ある程度の知識がないと試験で出題される資料の内容を理解することは難しいです。 中学の範囲で日本の政治の仕組みや、世の中のお金の流れ、環境問題などの社会問題を大まかに理解することができます。 社会に自信がない、何からやればいいかわからないという方は、中学の教科書や市販の参考書で中学公民分野の復習から始めてみましょう。
高校で現代社会を学習した方
高校で現代社会を学習したことのある方は、現代社会の復習から始めるのがおすすめです。公共の学習範囲は、旧課程での現代社会という科目とほぼ同じ範囲になります。
現代社会との違い-でも解説しておりますが、公共では知識よりも資料やグラフを読み取る思考力が問われます。重要単語を暗記して書けるようになるよりも、教科書や参考書の文章内容を理解することを重視して学習するのがおすすめです。 高校を卒業していなくても、現代社会の単位を取得していれば、公共の試験を免除することも可能です。
公共の試験の免除については 5. 高卒認定試験 公共の試験免除要件もご確認ください。
社会人経験のある方
まずは新聞やニュース記事を読んで、理解しにくい分野を中心に学習するのがおすすめです。 実際に社会に出て働いた経験のある方は、選挙や税の仕組み、社会問題について知らず知らずのうちに理解していることも多いです。公共では政治・経済・憲法や民法・社会問題と幅広いジャンルから出題されます。得意な分野のみで合格点が狙える場合もありますが、苦手分野も学習しておくと安心でしょう。
4. おすすめの勉強方法
過去問を活用する
文部科学省のHPで過去5年分(10回分)の過去問と解答が公開されています。過去問を解くことで、試験の傾向を把握し、合格の可能性を高めることができます。
ただし、公共は令和6年度から新設された科目のため、他科目に比べて掲載されている過去問が少なくなっています。もっと練習したいという方は、現代社会の過去問を活用するといいでしょう。問題形式は異なりますが、学習範囲は公共とほとんど重複しています。
問題集やワークを活用する
文部科学省のHPに掲載されている過去問は解答のみが公開されており解説が載っていません。解説が必要な方は本屋さんなどで売っている過去問題集を購入して活用するとよいでしょう。 また、過去問題が難しいと感じる方は、基本事項をまとめたワークから始めるのがおすすめです。
5. 高卒認定試験 公共の試験免除要件
高卒認定試験に公共の試験は必須ですが、下記要件にあてはまる方は、公共の試験が免除されます。 受験申し込みの前に自分が該当していないか確認してみましょう。
- (令和4年4月以降に高校に入学した場合)
高校で「公共」の単位を取得している - (平成24年4月~令和4年3月までに高校に入学した場合)
①か②、どちらかを満たせば免除される
①「現代社会」の単位を取得している
②「政治経済」と「倫理」の両方の単位を取得している平成24年3月以前に入学された方も免除となる可能性がございます。詳しくは下記リンクもご確認ください。
文科省HP – 高等学校で取得した単位による免除要件
6. まとめ
人によって必要な勉強は異なり、その人に合った学習スタイルも異なります。
REOでは高卒認定試験対策として、生徒さんにそれぞれに合った教材選びや勉強法を提案し、学習をサポートしております。
気になる方は、下記LINEからお気軽にご相談ください。