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ホーム不登校お役立ち情報不登校の悩みに寄り添う新たな学びの場―世田谷区に2026年誕生予定『学びの多様化学校』とは

不登校支援制度学習面・進路面で

不登校の悩みに寄り添う新たな学びの場―世田谷区に2026年誕生予定『学びの多様化学校』とは

東京都世田谷区では、不登校の子どもたちのための新しい公教育の場「学びの多様化学校」の開設を2026年度に予定しています。
これは、学校に行くことが難しい子どもたちが、自分のペースで安心して学べるように設計された新しいスタイルの学校です。
この記事では、学びの多様化学校や世田谷区の取り組みについて解説します。


なぜ今「学びの多様化学校」なのか?

2022年度に文部科学省が公表したデータでは、不登校の小中学生は約30万人にのぼり、過去最多となりました。
その背景は、学校での人間関係や学習への不安、発達特性など、多岐にわたります。

そのような中で、従来「不登校特例校」と呼ばれていた制度が、2023年から「学びの多様化学校」という名称に変更されました。
これは、「不登校は例外的な問題」ととらえるのではなく、「誰もが自分に合った学び方を選べる」という前向きな考え方を社会に広めるための第一歩です。
文部科学省:「不登校特例校」の新たな名称について(通知)


不登校特例校からの進化―学びの多様化学校の特徴

「学びの多様化学校」は、制度上は従来の「不登校特例校」と同じ仕組みに基づいていますが、名称変更にあたってその理念が大きく変化しました。

  不登校特例校 学びの多様化学校
呼称の印象 「特例」「例外」的な響き 「多様性」や「選択肢」の肯定的な響き
対象 不登校の児童生徒 不登校を含む、個別の学びを求める子ども
教育の目的 復学や進学への準備 自己肯定感を育み、自分らしい学びの確立
社会的認識 特別な場という印象 公教育の中の新しい選択肢

「学びの多様化学校」は、単に学校に通えない子の「代わりの場所」ではなく、「一人ひとりが安心して学べる、新しい公教育の形」として位置づけられています。
文部科学省:「不登校特例校」の新たな名称について(通知)
文部科学省:学びの多様化学校の設置にむけて(手引き)


 世田谷区の構想:2026年、北沢エリアに開校へ

世田谷区では、旧北沢小学校の跡地を活用し、23区内で初となる「学びの多様化学校」の開設準備が進められています。
開校は2026年度を予定しており、施設の整備や教育内容の検討が現在進行中です。
東京都世田谷区:世田谷区立学びの多様化学校(不登校特例校)等基本構想(PDF)

この学校では、従来の「毎日登校・一斉授業」といった枠組みにとらわれず、子どもたちの状態や希望に応じて、登校頻度や学習方法を柔軟に選べるように設計されます。

また、区内の児童館や「ほっとスクール」などとも連携し、学習だけでなく生活面のサポートも行うことで、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりが進められています。


どんな子が通えるの?入学や学びのスタイルは?

対象となるのは、世田谷区に居住し、現在学校に通えていない、または通うことに強い困難を感じている小中学生です。
入学には区の教育委員会による確認手続きがありますが、出席日数や学力などの制限はなく、子どもの気持ちや状況が重視されます。
学びのスタイルも自由度が高く、以下のような柔軟な対応が予定されています。

  • 週1回~複数日の登校が可能
  • 午前のみ・午後のみの通学も選択可
  • オンライン学習の活用
  • 個別の学習計画に基づく支援

少人数・安心・丁寧なサポート体制

「学びの多様化学校」では、子どもが安心して過ごせるように、以下のようなサポート体制が整えられます。

  • 少人数制による落ち着いた学習環境
  • 教員に加え、スクールカウンセラーや特別支援教育スタッフの配置
  • 子ども一人ひとりの状況に合わせた個別支援
  • 同じような経験をした仲間との交流の機会

このように、「学びの再スタート」の場所として、無理なく自信を取り戻せる環境が用意される予定です。


先行事例「ねいろ」の理念を継承

世田谷区には、すでに不登校支援の実践例として、区立世田谷中学校内に設置された分教室「ねいろ」があります。
「ねいろ」では、少人数の落ち着いた環境の中で、一人ひとりのペースに合わせた学びが行われており、多くの子どもが安心感を取り戻してきました。

東京都世田谷区:学びの多様化学校(不登校特例校)分教室「ねいろ」

今回の「学びの多様化学校」は、「ねいろ」で培われた理念や支援の方法を踏まえながら、さらに幅広い子どもたちに対応できる仕組みとして計画されています。
いわば、「ねいろ」の発展形として、制度的にも教育的にも強化された新たな学びの場です。


今後の見通し

「学びの多様化学校」は、学校に行きづらさを抱える子どもたちが、自分らしく安心して学べる場を提供することを目的としています。子どもだけでなく、保護者にとっても「この子に合った学びの場が見つかるかもしれない」という希望につながる取り組みです。

世田谷区では、2026年度の開校に向けて以下のようなスケジュールで準備が進められています。

今後のスケジュール(予定):

  • 2025年度中
    • 学校施設の整備・設計
    • 学校の教育方針や運営体制の検討
    • 保護者向けの説明会や個別相談会の開催予定
  • 2026年4月
    • 「学びの多様化学校」開校

また、区では保護者の声を積極的に取り入れながら、学校づくりを進めていく方針を示しており、今後の説明会では、不安や疑問を直接相談できる場が設けられる予定です。

「今の学校に行かないことを責めず、子どもの気持ちを大切にしてくれる学びの場がある」という事実は、保護者にとって大きな安心材料になるはずです。

◆問い合わせ先(詳細は今後発表予定):

  • 世田谷区 教育政策・企画課(仮称)
  • 区の公式ウェブサイトや広報紙にて、最新情報が順次公開される予定です。

おわりに

不登校は「学ばないこと」ではなく、「今の学校という形が合わない」という子どもからのサインです。
学びの多様化学校は、その声を受け止める新たな公教育のかたちとして、今、動き出しています。
「不登校の子どもが過ごしやすい場所」を模索する世田谷区の取り組みは、全国の自治体のモデルとなることでしょう。
この取り組みがより多くの自治体に波及して、どの地域の子どもも過ごしやすい場所が出来ることを期待したいです。

 

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