
安心して過ごせるようになったら――勉強する・しないは、自分で決めていい
親子ともに「無理をして学校へ行かなくてもいい」と思えるようになったら、機会を見て話し合って頂きたいことがあります。
それは
「勉強をしたいのか、したくないのか」
ということです。
「学校へ行かないのだから、せめて家では勉強を!」とプレッシャーを与えるのもいけませんが、逆に「学校は行かなくていいし、勉強なんかしなくていい」と勝手に決めつけてもいけません。
必ず本人の意思を聞いてあげてください。
「したいか、したくないか」です。
いまは勉強をしたくないというなら、のんびりと好きなことをさせてあげてください。
何度も使ってきた言葉ですが、心を回復させてあげましょう。
心身が元気を取り戻してくれば、いずれ勉強への気持ちも向上します。
もしも、勉強はしたい、高校や大学へ進学をしたいというなら、学校以外の勉強方法を探してあげる必要があります。
「したいのに、できない」はかえってストレスになりますし、勉強を少しでも進めておくことで復学を望んだ際に学習面のハードルが高くならずに済みます。
もちろん、受験対策にもなりますし、自分に合ったペースで行うことによって本来の「勉強の楽しさ」などを感じられる機会を得ることにもなります。
勉強の場としての選択肢
勉強の場としての選択肢は多くの地域でこの4つが挙がるでしょう。
- フリースクール
- 通信教材(インターネット授業なども含む)
- 学習塾
- 家庭教師
外出が苦手なタイプであれば、通信教材や家庭教師など自宅でできるほうがストレスは少なく、逆に外へ出たい子であれば、フリースクールか学習塾、というように、その子に合わせて子どもと一緒に選びましょう。
現在、フリースクールも全国で数を伸ばしています。
2015年時点では、不登校生を対象にしたフリースクールは474校以上というデータはありますが、学校のような設置基準がないため、形態は多岐に渡ります。
学校と同じように教室で授業を行うフリースクールもあれば、自宅の一室を開放した文字通りアットホームなフリースクールもあります。
必ず見学をして「合う」ところを選ぼう
選ぶ際には、必ず現地を見学し、形態の確認を行って下さい。
勉強をしたかったのに「1日中、トランプの相手をしていた」などということが起こりかねません。
実は昨今、不登校がビジネス市場として注目されつつあり、企業の参入も多く検討されています。
それに伴い、どうしても魅力的な宣伝文句やイメージの良さで企業間の競争が目につくようになりますが、安易に飛びつくことがないように気をつけてください。
まずは現地を見ること、そこにいるスタッフと話してみることが大切です。
また高校選びと同様に「良い・悪い」ではなく「合う・合わない」を基準にしてあげてください。
他の子が体験して良かったからといって、自分の子にも合うとは限りません。
ネットの評判だけで決めることなどは論外です。
子どもと一緒にお出かけがてら見学へ行く、というくらいで選べるといいでしょう。
どこか早く決めなくては、と見学までがストレスにならないようにすることが大切です。
(この記事は、REO代表の阿部の著作『不登校は天才の卵』の内容を改変して作成しています。)