不登校のこどもの味方!自治体ごとの教育支援センターの実際と活用事例
不登校の子どもにとって、学校以外で安心できる居場所を自分で見つけるのはとても難しいことです。
もちろん家が安心できる場所なら、家で過ごすのもよいですが、保護者の方にとって負担が大きくなることも多いです。
そんなご家庭の味方となるのが、各自治体が設置・運営する「教育支援センター」です。
教育支援センターは「適応指導教室」や「校内支援室」という名称で呼ばれることもあります。
教育支援センターとは、子どもたちの心に寄り添いながら、学びや社会性の回復を支援する大切な存在です。
詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。

この教育支援センターですが、自治体によって内容や支援の手厚さに大きな違いがあります。
この記事では、特に不登校支援に積極的な3つの自治体を比較しながら教育支援センターの利用にあたってのポイントを紹介します。
教育支援センター:自治体による主な違いとは?
教育支援センターは、次のような点で施設や自治体ごとに違いがあります。
①設置場所:校内型 / 校外型
②利用対象:小学生 / 中学生 / 高校生
③支援内容:学習支援 / 心理的支援 / 交流活動
④出席扱いの対応:学校の出席扱いとする判断基準
⑤利用手続き:教育委員会へ申請 / 学校と相談
これらの違いをふまえて、自分の住んでいる地域ではどのようなサービスがあるか、比較検討の参考にしてみてください。
ここでは、教育支援センターの例として、広島県、青森県、鳥取県の教育支援センターの実態についてご紹介します。
全国でも注目される3つの先進自治体
広島県:スペシャルサポートルーム(SSR)で校内支援を充実
広島県では、不登校や発達特性のある子どもへの支援として「スペシャルサポートルーム(SSR)」を県内54校の公立小・中学校に整備しています(令和7年度時点)。
学校内に安心できる別室を設け、個別対応による学習・生活支援を行っています。
また、不登校支援の拠点として、「SCHOOL”S”」という教育支援センターを東広島市に設置しています。
「SCHOOL”S”」は通所して利用するだけでなく、自宅や校内のSSRからオンラインで利用することも可能です。
設置場所:校内型 / 校外型
利用対象:小学生 ・中学生
特徴:個別学習ブースやリラックス空間を整備、学校での出席扱いにも対応
利用手続き:担任・保護者・本人の話し合いの元、利用を開始
参考:広島県教育委員会「スペシャルサポートルーム(SSR)での個に応じた支援」
:広島県教育支援センター「SCHOOL”S”」について
青森市:全小中学校に校内教育支援センターを整備
青森市では、令和6年4月より市内すべての小・中学校に「校内教育支援センター」を設置しています。
校内教育支援センターでは、登校できても教室に入れない児童生徒が、学校内で安心して過ごせる場を提供しています。
設置場所:校内型 (校内の空き教室を利用)
利用対象:小学生 ・中学生
特徴:相談室や職員室と隣接しており、教員やスクールカウンセラーとの相談が可能
参考:青森市文教経済常任委員(協議会)一人一人の夢・志・挑戦を支援するための特認校(不登校等特認校)
:青森市教育委員会不登校児童生徒支援に関する検討会議
鳥取県:教育支援センターと認定フリースクールの連携
鳥取県では、各市町が設置する学校外の教育支援センターが11教室あります。
この教育支援センターに加え、県が認定・補助を行うフリースクールが10か所あり、教育支援センターと連携した支援体制が整備されています。
また、義務教育終了後の若者を対象とした「ハートフルスペース」という教育支援センターも整備されています。
県内3ヵ所に設置されたハートフルスペースでは、不登校(傾向)やひきこもりの心配がある義務教育終了後から20歳くらいまでの若者を、社会的自立に向けて支援しています。
設置場所:校外型の専用施設
利用対象:小学生 ・中学生(教育支援センター・フリースクール)
義務教育終了後~20歳ごろ(ハートフルスペース)
特徴:施設ごとに特色のある活動ができ、義務教育終了後も切れ目ない支援が可能
参考:鳥取県 市町設置の教育支援センター及びフリースクール
鳥取県 教育支援センター・フリースクール・ハートフルスペース設置場所一覧
利用のポイントまとめ
教育支援センターは「学校に戻るため」の場ではなく、子どもが「安心して学べる」「自分を認められる」場所として、今後ますます多様化が進んでいます。
お住まいの自治体には、どのような教育支援センターがあるのか、ぜひ教育委員会の窓口や自治体のホームページなどで確認してみてください。
[authorbox name=”ももたに” img=”https://high-school.reo.co.jp/wp-content/uploads/2025/04/c7282495cb7ab122f5307fb762ca17f8.png” text=”教えることが好きで、大学在学中から通算で10年以上にわたり塾講師・家庭教師を続けてきました。主に文系科目を担当しています。 指導時には、雑談も含め生徒さんのペースに合わせることを大切にしています。 最近はポケモンのアニメと原神にはまっています。漫画とゲームが好きです。”]