「学校に行けないなら行かなくていいよ」この一言が言えたら子どもは変わります。以前は予備校や塾しか選択肢がなかったのが、現在では文科省も認めたホームスクールやフリースクール、通信講座など学びの場がニーズにあわせ増えてきました。選択肢の幅の広さで開眼させ、あなたの子どもは人より抜きん出た才能の持ち主として開花する可能性があります。本記事は、REO代表 阿部伸一の著書『「不登校」は天才の卵』より抜粋。まず心の持ちようを変えるきっかけになればと願っています。
子どもが学校に行きたくなる魔法の言葉「行かなくていいよ」
多くの不登校の子どもが、自分から学校に行きたくなる不思議な言葉があります。「行きたくなければ無理をして行かなくていいよ」たったこれだけです。
多くの場合、子どもよりも親の側が「学校へ行かねばならない」「行かさなければいけない」という考えにとらわれています。「〜ねばならない」と思えば思うほど、子どもの態度や行動が思い通りにならないことでストレスとなり、余計に「〜ねばならない」という気持ちが強くなる、という悪循環に陥ります。
ここでいったん、「行かなくてもいい」という発想を持って下さい。「学校へ行かせなきゃ」という発想からいったん外れてみて下さい。「無理をして行かなくてもいいよ」という言葉を発することによって、まずは親自身に変化が生じます。
それまではストレスによって怖い顔になっていたりとがった声になっていたりしたものが、ふっと柔らかいものに変わります。そんな親の態度や表情に対して、最も敏感なのは子どもです。
親のストレスが軽減され、気持ちが少し楽になり、心が柔らかくなることで、子ども本人のストレスも軽減され、気持ちが楽になります。ストレスが減り、気持ちが楽になることで、今度は頭や身体が動かしやすくなります。
息苦しかった生活から、呼吸がしやすい生活に変わるようになります。結果として、学校へ行きやすくなることは多いです。
個人差はありますが、「無理をして行かなくていいよ」という言葉が子ども本人を楽にさせてあげられることは間違いないでしょう。
今すぐに登校はできなくても、「高校に入ったら学校へ行こう」と思えるようになるケースもあれば、声をかけた翌日に登校をした、というケースもあります。
大切なのは、親自身が従来の縛られた発想を取り外して、少しでも気持ちを楽にすることであり、またそれを子どもは敏感に察するという事実です。
そもそも、人間は不思議なもので「やれ」と言われればやりたくなくなるし、「やるな」「やらなくてもいい」と言われると、かえってやりたくなるものです。
大人になった皆さんにも思い当たる節はあるでしょう。不登校の子どももまったく同じ部分があります。「行かなくていい」と言われることで「行ってみようかな」という気持ちになる子も少なくありません。
ただ「そうか、ならそう言ってみよう」と上辺だけの言葉で「行かなくていいよ」と言っても、子どもには伝わりません。子どもはボクたち大人が考えているよりずっと思慮深く、大人のことを観察しています。
上辺だけの言葉はすぐに見抜かれてしまうのです。上辺だけの「行かなくていい」を聞いたとしても、子どもの心は動きません。あるいは、1日だけ登校して「やっぱり行きたくない」と言うかもしれません。
その時でもあなたは「あ、そうなんだ。それなら行かなくていいよ」と言えるでしょうか。
「どうして? せっかく行けたじゃない、頑張ろうよ」なんて言ってしまうのではないでしょうか。それは本当の意味で「行かなくてもいい」ことになりません。
魔法の言葉は、まず親自身が「無理に学校に行く必要はない」と腹をくくることで初めてその力を発揮します。
(本記事は、REO代表 阿部伸一著 『「不登校」は天才の卵』から一部抜粋・改変したものです)