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子どもの接し方で

不登校の子どもから離れて、ひとりの人間として過ごす時間を大切に

親の存在が身近すぎると子供のストレスになる場合も

乳幼児や小学校低学年くらいまでの小さな子どもに対して、親の愛情を言葉やスキンシップで表現することは大切です。
子どもが幼いうちは自我がそれほど確立していませんから、密接な親子関係を通じてダイレクトに愛情を感じることができるのです。
また、乳幼児のうちに親からしっかりと愛情を受けたことを実感できると、成長した後も親子の信頼関係をゆるぎないものにできます。

しかし、思春期にさしかかる小学校高学年から中学生になっても親がべったりと張りついていたらどう感じるでしょう。
「親に監視されている」という言い方をする不登校生は少なくありません。

子どもが不登校になると、特にお母さんは「私が子どものそばにいなければ」「いつも見守って力にならなければ」と仕事を辞め、
友だち付き合いも極力減らして、子どもに全精力を注ぐことがあります。しかし、それは逆効果。
学校のこと、友だちのこと、将来のことについて思い悩んでいる子どもにとって、
親の存在が身近すぎることはかえってストレスになることもあります。

まずは自分が幸せになることを忘れないで

ボクは不登校の子どもを持つお母さんに対して「ご自分が幸せになることを考えてください」とアドバイスをすることがあります。
あなた自身がまず、子どもから離れることが、子どもにとっても、あなたにとっても必要です。たとえばパートを始めるのもいいでしょう。
友だちとランチに出かけるのもおすすめです。男性なら、たまには奥さんをデートや旅行に誘ってあげてください。

大切なのは「自分の時間を作ること」です。自分の時間を作って、そのときだけは子どものことも考えずにいるくらいで過ごしてください。
ランチや旅行など大げさでなくても構いません。1日10分や15分、物理的に「自分の時間」を作ることを日常で意識してください。
お風呂で湯船につかる、就寝前に読書をする、散歩に出かける。
親が子どものことを考えないでいる時間を作れば、逆に子どもも親のことを気にしすぎずに過ごせるようになります。

「子どもは部屋にひとりで閉じこもっているのだから、親のことなど気にしていない」と言う人もいるでしょう。
しかし、子どもは、部屋の扉の向こう側にある「気配」を敏感に察します。
親の距離が近すぎるストレスから解放してあげるには、やはり本当に親自身が意識をして距離を置く必要があります。
あくまでもそのために、物理的な対策をとってあげてください。

心が疲れている子にとって、最も必要なのは「休憩」です。
親のことを気にしないでいられる時間は不登校の子どもにとって最高の休憩場所になります。
そこで自分自身のことを考え、やりたいことや学校に再び通うための道筋を自分で見つけ出す手助けになるのです。
学校は休んでいても、心が休まらなければ、苦しい状態は長く続いてしまいます。

親の心身の状態は子どもに大きな影響を与える

ボクは定期的に不登校の子どもを持つ保護者向けのランチ会を開いています。
そこではあまりアドバイスなどせず、皆でとりとめのない話をするだけのこともあります。
しかし、不登校であることやその悩みを話せる集いで非常に心が軽くなるもの。
遠慮なく悩みを話して、それを親身に聞いてもらえる環境があります。
このような時間を過ごすことで、保護者自身の心の疲れも回復し、リフレッシュできることは多いのです。
そのことで態度や表情やたたずまいに変化が生じ、それは子どもにも大きく影響をします。

あるランチ会に参加したお母さまは、様々な思いを話し、他の参加者の悩みも聞いて、あとは他愛もない雑談をして帰路につきました。
すると、その翌日、子どもが自分から学校に行ったのです。
これまでさまざまな方法で学校に行かせようと試み、それらがすべてムダに終わってしまっていたのに、です。
もちろん、学校へ行くきっかけとして色々な要因はありますが、おそらく、帰ってきたお母さんから発せられるオーラのようなものが、
これまでとは全く違ったことで、子どもにも良い影響があったのではないかと思っています。

「子どもから離れる=関心を無くす」ではない

学校に行くというきっかけは、そんな小さな出来事から生まれることがあります。
不登校に悩む家庭は親子ともに休憩場所がなく、必要以上に密接な関係に陥っているケースが多いように思います。
そういったケースでは、物理的にどちらか一方が離れて自分の時間を確保することで、
煮詰まっていた親子関係が改善されることは非常に多いのです。

子どもから離れること=関心をなくすと思っているとしたら考えを改めましょう。
子どもにとって、親に関心を持ってもらえているかどうかは時間と比例しません。
むしろ、物理的に離れることによって親自身がリフレッシュできると、心に余裕が生まれ、視野も広がってきます。
それまで「不登校」の一点しか見えていなかった視界が開けることで、いままで見えていなかったことが、ハッキリと見えてくることもあるのです。

ですから、シングル家庭や共働きで親子での時間がないという人も悲観する必要はありません。
むしろ、親子が離れている時間が自動的に作れることで子どものプレッシャーが少なく済むことがあります。
あとはあなた自身が人間として輝くたけです。
子どもの幸せのために自分を犠牲にする、のではなく、子どもの幸せのために自分も幸せな生き方を目指してください。

親子ともに心を休めることを第一に優先しよう

親が家を空けられない事情があるのなら、子どもを家から離すということも有効です。
祖父母や親せきや信頼できる友人の家でもかまいません。親子ともに、リラックスできる休憩場所を作ってください。
その場合、帰って来た子どもに「何をやってきたの?何て言ってた?」などと事細かに聞き出しては、休憩場所の意味はありません。
また、祖父母や友人が「学校に行くべき」という主張を持っている場合も逆効果。
休憩場所は、相手が子どもの味方であることが大切です。

塾や習い事などの外出できることを始めるのもいいでしょう。
近所の塾や教室では友だちの目が気になると本人が言うのなら、電車に乗るくらい離れた場所も視野に入れてください。
不登校の子どもをサポートするフリースクールやカウンセラー、また行政の機関を頼るのも一案です。

ただし、けっして無理強いをしてはいけません。習い事であってもストレスになることがあります。
いくら何かを始めても、かえって心が疲れてしまっては意味がありません。
あくまでも心が休まる時間であること、それが「自分の時間」です。親子ともに、そこは忘れないようにしてください。

物理的に離れても、心まで離れることは決してないでしょう。
ちょっと距離を置いたくらいで子どもへの関心がなくなり、心まで離れきってしまうような人は、いまこの本を読んだりしていないはずです。
どうか安心して、いったん距離を置いてみる時間を確保してみてください。

 

(本記事は、REO代表 阿部伸一著 『「不登校」は天才の卵』から一部抜粋・改変したものです)

 

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