2024年6月7日、改正学校教育法の成立によって、専門学校の履修制度が単位制へ移行することが決定しました。
参考:学校教育法の一部を改正する法律が参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました(文科省)
この改正により、専門学校生が卒業後に大学へ編入しやすくなり、専門学校では学べなかった他分野の知識や技能を習得しやすくなります。この改正はリスキリング(学び直し)を重視する政策の一環で、施行は2026年4月からです。
不登校生は特に進路に悩むことが多いですが、この改正で進路の新たな選択肢が加わることになります。本記事では、この改正によって不登校生にどんな影響があるのかについて解説していきます。
専門学校の単位制移行とは?
現在、専門学校では「年間の課程」を修了することで卒業資格を得るのが一般的です。
しかし、今回の改正により「単位制」が導入され、大学と同じように各科目ごとに単位を取得し、一定の単位数を満たせば卒業できる仕組みに変わります。
また、従来の専門学校卒業資格では、大学への編入は一部の学科に限られていましたが、単位制への移行により、専門学校の単位を活かして大学へ進学しやすくなります。これにより、より幅広いキャリアの選択肢が開かれることが期待されます。
不登校生にとってのメリット
1. 専門学校→大学編入という進路の選択肢が生まれる
現在、不登校の方の中には、通信制高校や高卒認定試験を経て進学を考える人も多いでしょう。今回の制度改正により、専門学校が「最終学歴」ではなく「大学編入へのステップ」として活用しやすくなります。これにより、「高校卒業 → 専門学校 → 大学」といった新たな進路の選択肢が生まれます。
2. 今すぐ大学進学を目指せない人へのステップ
専門学校を目指す人は卒業後に就職を見据える人も多いですが、
「専門学校進学の時点ではその分野での就職をするかどうか分からない…」という方もいます。
現時点では大学に進学するのが難しいけども、専門学校で卒業後にすぐ就職するのが不安な場合にうってつけの選択肢になりえるでしょう。専門学校では実践的な学びが重視されるため、「興味のある分野で勉強しながら大学進学を目指す」という選択も可能になります。
3. キャリアの選択肢が広がる
専門学校を卒業した後に大学へ編入しやすくなることで、「専門技術+大学の学位」という形でスキルと学歴の両方を得ることができます。例えば、デザイン系の専門学校で学んだ後に大学の経営学部に編入し、デザインとビジネスの知識を組み合わせることで、将来的に起業や企画職に挑戦しやすくなります。
注意すべきポイント
今回の制度改正は、進学の選択肢を広げるものですが、今すぐにすべての専門学校が単位制に移行するわけではありません。2026年4月からの施行に向けて、各専門学校がどのような対応を取るのかを確認することが大切です。
また、大学編入の際には、受け入れる大学側の方針も影響します。
「どの大学が専門学校からの編入を受け入れるのか」「編入試験の内容はどうなるのか」などの情報収集が重要になります。
まとめ
今回の改正により、不登校経験者にとって、専門学校を経由して大学へ進学するというルートがより現実的な選択肢となります。特に、「高校卒業後にすぐに大学に進むのは難しいが、興味のある分野で学びながら大学進学を目指したい」という人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。今後の専門学校の動向や大学の対応をチェックしながら、自分に合った進路を考えていきましょう。