不登校のお子さんがいるご家庭の中には、その子にきょうだいがいるという場合も多いでしょう。
不登校の子と学校に行っている子の間が不仲になったり、きょうだいとも不登校になったり、接し方に困っていませんか?
双子でも、不登校の理由は全く別
我々のところに双子の姉妹がやってきたことがあります。どちらも不登校でした。
お姉さんはカウンセリングを続け、しばらくすると学校に戻りましたが、妹さんのほうは合わなかったようで通ってくれることはありませんでした。
双子であってもそれぞれ別の個性があります。
彼女たちは同じように不登校をしているように見えて、その理由はまったく別のものだったのです。
もし、きょうだいが揃って不登校になったとしたら、理由をそれぞれに探る必要があります。
「あなたたち」で済ませられることはほとんどありません。
基本的には、子どもの言いたいことを否定せずに聞き、向き合うことで解決の糸口は見つかるでしょう。
たとえば、姉の不登校の原因がいじめであれば学校と対策を練り、妹の不登校が「自分でもわからない」のであれば、しばらく休ませて様子を見るということです。
きょうだいに加えて、親にまで責められたら…
きょうだいが揃って不登校になることは多くありませんが、学校に通っているきょうだいがいる場合、不登校の子どもといさかいを起こすことが少なくありません。
「妹が不登校なのが友だちにばれると恥ずかしい」
「お兄ちゃんだけ学校に行かないのはずるい、それなら私も行かない!」
ということもあるのです。学校に行っている子の気持ちもわかるだけに、どちらを庇っていいのかわからなくなることもあります。
ただ、
「妹の言う通り!どうしてお兄ちゃんは学校に行かないの」
「ちゃんと学校に行っている姉を見習いなさい!」
といった言葉は禁句です。
不登校であることに負い目を感じている子にとって、身内であるきょうだいに責められるのはとても辛いこと。
責任を感じますし、そこで親までがきょうだいの味方をしたら、家族も全員、敵にまわってしまうことになります。
きょうだいは別々に話を聞こう
親の目の前で喧嘩を始めた場合、「あなたたち!」と2人同時に叱ることは避け、別々に言い分を聞いてあげてください。
具体的には、まずお互いを別の場所に移動させます。
学校に行っている子に対しては「あなたの言い分もよくわかる。学校で頑張っていることもよくわかっている」と、その子を認めてあげてください。
一方で、不登校の子に対しては「あなたは悪いことをしているわけじゃない。あの子のことは心配しないで」と、安心させてあげましょう。
別々が難しいときは
どうしても別々に注意することが難しい場合は、基本的に困っているほうの味方をするべきだと思います。
つまり、不登校の子を先に庇い、その後で学校に行っている子のフォローにまわるのが得策です。
きょうだい仲が悪い場合、食事の時間をずらすなど、なるべく接点を少なくするのもひとつの方法です。
(本記事は、REO代表 阿部伸一著 『「不登校」は天才の卵』から一部抜粋・改変したものです)