

不登校の期間が長くなると、親子の会話が「学校」のことばかりになってしまうことがあります。
「明日は行けそう?」「課題はどうする?」「このままで大丈夫?」
心配だからこそ声をかけているのに、子どもが黙り込んでしまったり、会話が続かなくなってしまったりすることも少なくありません。
ですが、無理に学校の話をしようとしなくても大丈夫です。
不登校の子どもとの会話で大切なのは、
「安心して話せる空気」
を作ることです。
不登校になると親子の会話が減ってしまうことがある
不登校の状態が続くと、親子ともに「学校」のことばかり考えるようになってしまうことがあります。
保護者の方は、「このままで大丈夫なのか」「何かしなければ」と不安になりやすくなります。そのため、つい学校や勉強、進路の話題が増えてしまうことがあります。
一方で、子ども自身も学校のことを考えるだけで苦しくなっている場合があります。声をかけられるたびに責められているように感じたり、親をがっかりさせているように感じたりして、言葉が出なくなってしまうこともあります。
会話が減っているからといって、親子関係が壊れているわけではありません。まずは「安心して同じ空間にいられること」も、大切な関わりのひとつです。
子どもへの関わり方に悩むときは、親自身の不安が大きくなっていることもあります。こちらの記事では、不登校の子どもとの距離感について詳しく解説しています。
学校の話をしすぎないほうがいい理由
不登校の子どもにとって、「学校」という言葉そのものがプレッシャーになっていることがあります。
もちろん、進路や将来を考えることは大切です。ただ、毎日のように学校の話題が続くと、子どもは「責められている」「期待に応えられていない」「親をがっかりさせている」と感じてしまうことがあります。
だからといって、学校を否定する必要もありません。
大切なのは、「学校の話ばかりにならないこと」です。天気のこと、テレビやYouTubeのこと、好きなゲームやアニメ、食べ物の話など、学校とは関係のない話題でも十分です。
何気ない会話が増えていくと、子どもにとって家庭が、「学校のことを考えなくてもいい場所」になっていきます。

学校や先生を全否定しすぎないことも大切
不登校になると、学校や先生に対して強い感情を持つことがあります。保護者の方も、「学校なんて行かなくていい」「先生なんて信用できない」と思ってしまうことがあるかもしれません。
ただ、学校を必要以上に否定しすぎないことも大切です。子どもにとって学校は、今は行けない場所であっても、「また戻りたいかもしれない場所」や「友達がいる場所」である可能性があります。
また、先生の中には、子どもの理解者になってくれる人もいます。特定の先生への不満と、「学校全体」「大人全体」への不信感は、分けて考えられるとよいでしょう。
子どもは、大人が何を言っているかだけでなく、「どんな言い方をしているか」もよく見ています。学校や先生について話すときには、できるだけ感情的になりすぎないことが大切です。
学校以外の会話を増やす“会話のリハビリ”をしてみよう
不登校の期間が長くなると、親子ともに「学校以外に何を話せばいいかわからない」という状態になることがあります。
ですが、それは自然なことです。
最初から深い話をしようとしなくても大丈夫です。「今日は暖かいね」「このお菓子おいしいね」「好きな番組やってるよ」など、短くて返事を求めすぎない言葉からで十分です。
そうした小さな会話が続くうちに、好きなアニメやゲーム、興味のあること、将来やってみたいことなどを、少しずつ話してくれるようになることがあります。
会話を増やそうと頑張りすぎる必要はありません。まずは、「学校の話をしない時間」を作ることから始めてみましょう。
ゲームやアニメなど、子どもの好きなことが会話のきっかけになることもあります。ゲームとの向き合い方に悩む方はこちらも参考にしてください。
家庭でできる自然な話しかけ方
不登校の子どもへの話しかけ方で大切なのは、「答えを求めすぎないこと」です。
学校の話を無理に続けない
子どもが「やっぱり今日は行けない」と言ったときに、「どうして?」「いつなら行けるの?」と追及しすぎると、会話そのものが苦しくなってしまうことがあります。
そんなときは、「そっか」と受け止めて終わりにしても大丈夫です。無理に理由を聞き出そうとしないことで、子どもが少し安心できる場合があります。
学校以外の話題に切り替える
学校の話で空気が重くなりそうなときは、日常の話題に切り替えてみてもよいでしょう。
「お昼どうする?」「この動画おもしろそうだね」「今日は少し涼しいね」など、答えや結論を求めない会話で十分です。
家庭の中で小さな役割をお願いしてみる
子どもの状態によっては、「ゴミ出しお願いできる?」「これ運んでくれたら助かるな」など、小さなお願いをしてみるのもよいでしょう。
できたときには、「ありがとう、助かったよ」と伝えることが大切です。
よくある質問
Q. 不登校の子どもには毎日話しかけたほうがいいですか?
無理に毎日たくさん話しかける必要はありません。大切なのは、会話の量よりも、子どもが安心していられる空気です。短いあいさつや、返事を求めすぎない一言からでも十分です。
Q. 話しかけても返事がないときはどうすればいいですか?
返事がないと不安になりますが、すぐに会話を広げようとしなくても大丈夫です。「聞こえていない」のではなく、「返す余裕がない」場合もあります。まずは、返事を求めすぎない声かけを意識してみてください。
Q. 学校の話はまったくしないほうがいいですか?
まったく避ける必要はありません。ただし、毎日のように学校の話ばかりになると、子どもにとって負担になることがあります。必要な話は短く伝え、それ以外の時間は学校以外の会話も大切にしていくとよいでしょう。
まとめ|学校の話をしない時間が安心につながることもある
不登校になると、どうしても「学校をどうするか」が頭の中を占めやすくなります。
ですが、学校の話ばかりをしなくても大丈夫です。むしろ、学校以外の話題で安心して会話できる時間が増えることで、子ども自身が少しずつ気持ちを整えていくことがあります。
焦って答えを出そうとしなくても大丈夫です。まずは、「安心して話せる空気」を大切にしていきましょう。
REOでは、不登校のお子さまとの関わり方や進路についてのご相談を受け付けています。ご家庭の状況に合わせて、一緒に整理していくことができます。
この記事の内容は、REO代表・阿部伸一の著作『不登校は天才の卵』でも紹介している考え方をもとにしています。
「どう関わればいいのかわからない」と悩む保護者の方へ向けた内容を、書籍でも詳しくまとめています。
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