不登校を引き合いにださないようにしましょう。
ほとんどの家庭では年に何度かはお祝いのイベントがあるかと思います。たとえばクリスマスやお正月、誕生日などです。
ただし、こういったイベントと不登校を結びつけることはやめてください。
特にお父さんに多いのですが
「クリスマスまでに学校に行けたらパソコンを買ってやる」
「学校に行ったら誕生日には欲しがっていた子犬を飼ってもいい」
などと不登校に関わる〝条件〟を出すことはダメです。
これは交換条件というよりも場合によっては子どもにとっての脅しになりかねません。
学校へ行かない限り、クリスマスも誕生日も祝ってもらえないということですから。
もし、そう言った脅し文句によって学校に行ったのであれば、かなりマズい。
「やはりオレの一言が効いたんだな」「ニンジンをぶらさげてやればいいんだ」 と喜ぶ前に、
さらなる負担を子どもに与える発言であることを自覚してください。
プレゼントを差し出された程度で行けるのであれば、最初から不登校にはなっていません。
「○○を買ってやる」の言葉で学校に行くとしたら、プレゼ ントのためによほどの無理をしているということです。
それが手に入ろうが入るまいが、そう遠くないうちに心が壊れてしまう危険があります。
たった数万円程度のもので、子どもにいま以上の苦しみを味わわせることになるのです。
イベントのプレゼントをあげるのもあげないのも、どれくらいの金額に設定するのかもその家庭の自由です。
学校に行く、行かないということでその方針を変えることは絶対にやめてあげてください。
冗談のつもりでも、子どもは疑心暗鬼になる
また、これは冗談で言っているのでしょうが
「お誕生日おめでとう。これで学校に行けたら言うことないのにね」
と、余計な一言を付け加えてしまう人がいます。
おめでたい席に、なぜ水を差すことをいうのでしょうか。
たとえ冗談だとしても、それを言われた子どもは疑心暗鬼になります。
「このケーキ、食べていいのかな。食べたらまた『学校に行け』と言われるんじゃないかなあ」
「プレゼントをもらったら、学校に行かなくちゃいけないのかしら……」
これではせっかくのおめでたい雰囲気も、祝ってもらってうれしい気分も台無しです。
子どもが本来、楽しみにしていたイベントを親自身が壊してしまうことになります。
お祝いをするなら、楽しむことに集中してください。
無条件で祝ってあげてください。
そうでなくても、普段から「どうせ『学校へ行け」と言われる」と警戒している子はいます。
せめてお祝いのときくらい、その警戒を解いてあげることを心がけましょう。
親子であっても会話のTPOを忘れないようにする
何も難しいことはありません。言葉のTPOをわきまえるだけです。
冗談はときと場所を選び、相手が傷つくことは言わないーー大人の世界では当たり前に行われることを、
子どもの前でも守ればいいだけです。
学校をどうするか、という話は、そうした場面できちんと話してあげればいいだけのことです。
お祝いのついでに持ち出してはいけません。
せっかくの誕生日です。学校へ行っていないことを忘れさせてあげましょう!
(この記事は、REO代表の阿部の著作『不登校は天才の卵』の内容を改変して作成しています。書籍の詳細はこちら)