
対象年度:令和8年度(2026年度) / 最終更新日:2025年10月15日
【埼玉県版】不登校からの高校受験ガイド|令和8年度入試対応


そんな不安を抱えるご家庭も少なくありません。
埼玉県では、不登校や多様な学び方を経験した生徒にも進路の選択肢を広げる制度が整備されています。この記事では、令和8年度(2026年度)入試の最新情報をもとに、公立・私立・通信制高校の制度をわかりやすくまとめました。
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・埼玉県の公立高校入試制度と不登校生への配慮
・私立高校で「内申不問」で受けられる入試の探し方
・通信制・サポート校など、多様な進路の選択肢
・出願前に確認しておきたい手続き・相談窓口
公立高校の入試制度と不登校生への配慮
埼玉県の公立高校入試は、全国でも早い段階から「多面的・総合的な評価」を取り入れています。選抜では学力だけでなく意欲や個性を重視しています。
埼玉県公立高校入試の基本
- 学力検査:国・数・英・理・社の5教科。数学・英語は一部の学校で「学校選択問題」を実施。
- 調査書:9教科の評定、特別活動、出欠の記録をもとに作成。
調査書には出席日数も記載されますが、欠席の理由が明らかな場合(病気・不登校など)は、補足記載をもとに適切に考慮されます。なお、一部の高校・学科では面接・作文・実技を実施することもあります。
不登校の生徒などを対象とした特別な選抜
全日制・定時制の全学科で実施可能で、中学校長の推薦により出願できます。出願時には自己申告書(様式6)を提出します。
この特別選抜で参考とする主な資料は次のとおりです。
- 学力検査の得点
- 調査書の「学習の記録」「出欠の記録」以外の得点
- その他の資料・自己申告書の内容
ポイント:本特別選抜では出欠の記録は資料としません。
イ 不登校の生徒などを対象とした特別な選抜
第1次選抜において、自己申告書を提出した者を対象に、調査書の学習の記録及び出欠の記録を資料とせず、学力検査の得点の合計、調査書の学習の記録及び出欠の記録以外の得点、その他の資料の得点並びに自己申告書の内容を資料とする特別な選抜を行う。 この選抜による入学許可候補者数は、第1次選抜における入学許可候補者数に含めることとする。
埼玉県公立高校選抜要領(PDF)
面接は個人面接で実施されるため、集団が苦手な生徒でも大丈夫です。面接での評価のポイントは「入学後の意欲」「学校生活への関心」「将来の見通し」です。
ただし、不登校の生徒などを対象とした特別な選抜、帰国生徒特別選抜による募集、外国人特別選抜による募集及び定時制の課程における特別募集においては、個人面接とする。
埼玉県公立高校選抜要領(PDF)
不登校の生徒への配慮の制度の背景について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください:

合理的配慮の申請
身体的・心理的特性に応じて、別室受験や時間延長などの措置を受けられます。「教室に入るのが不安」など心配がある場合は、出願の1週間前までに「学力検査等の措置願(様式18)」を中学校経由で提出しましょう。

私立高校:学校の成績を見ない入試もある
埼玉県の私立高校では、学校ごとに多様な入試方式が設定されています。特に「オープン入試(フリー入試)」では、内申点(学校の成績)を点数化せず、当日の試験と面接で判断する方式が採用される年度があります。

主な入試方式
- 単願推薦(専願):内申基準あり。合格後は入学確約。
- 併願優遇:一定の内申基準を満たせば他校併願可。
- 一般(フリー・オープン)入試:筆記+面接中心。内申点は参考または不問。
- 自己推薦・AO型:活動実績や志望理由書で評価。
一般(オープン)入試の確認方法
- ① 募集要項を確認:「内申点は参考」「一般入試(フリー/オープン)」等の記載をチェック。
- ② 私学協会サイトを活用:埼玉県私立中学高等学校協会で学校公式リンク一覧を確認。
- ③ 説明会で質問:「内申をどのように扱いますか?」と直接確認するのが確実。
POINT: 「オープン入試」は学校ごとに呼称・条件が異なります(一般・フリー・チャレンジ等)。募集要項の「調査書(内申)の扱い」を必ず確認しましょう。
埼玉県内の例(年度により変動)
浦和学院や浦和麗明などで、学力検査と面接を中心に評価する「当日点重視型」を採用する年度があります。最新の実施有無・条件は各校の募集要項をご確認ください。

不登校でも通いやすい高校:通信制・定時制高校
毎日通うことが難しい場合でも、通信制や定時制の公立高校なら自分のペースで学べます。不登校の経験があっても、高校卒業を目指すことは十分に可能です。
<公立>通信制高校
通信制の課程では自宅学習を中心に、月数回のスクーリング(登校)で単位を修得します。埼玉県の公立通信制は、県内には県立大宮中央高等学校の1校のみです。
✅ 県立大宮中央高等学校
スクーリング(登校)は協力校で受講できる制度があります(年度によって運用は異なります)。遠方の方は協力校での受講可否を確認しましょう。
▶ 学校公式サイトを見る
<公立>定時制高校
定時制の課程は、夜間中心の学校だけでなく、時間帯を柔軟に選べる学校もあります。最新の設置状況や課程は県の一覧ページで確認してください。
✅ 県立羽生高等学校
単位制を導入し、(学校によっては)昼間・夜間などの二部制で学習可能。自分の学習計画に合わせて科目選択ができます。
▶ 学校公式サイトを見る
✅ 県立戸田翔陽高等学校
単位制を導入し、午前・午後・夜間の三部制での学習など、柔軟な時間割編成が可能です(年度により運用は異なります)。
▶ 学校公式サイトを見る

<私立>通信制・サポート校
通信制高校には全国から入学可能な私立高校もあります。全国各地にあるサポート校や学習施設を利用し、通学日数を選べる柔軟な学習スタイルが整っています。
ご家庭だけで高校を決めるのが難しい場合や、探してみたけれどもよく分からない場合は、REO高等部が高校探しから入学後の学習、卒業後の進路まで総合的にサポートします。詳しくは下記リンクをご参照ください。

まとめ:焦らず、自分に合った進路を見つけよう
不登校の期間があっても、高校進学の道は必ずあります。埼玉県の入試制度は、学び直しや再チャレンジを支える仕組みが整っています。出願前に制度を理解し、説明会や学校見学で具体的な情報を確かめていきましょう。
REOでは、不登校からの高校進学に関するご相談を随時受け付けています。お気軽にお問い合わせフォームまたは公式LINEからご連絡ください。
参考・出典(一次情報)
※ 制度内容は令和8年度入試実施要項および埼玉県教育委員会の関連資料に基づいています。最新の募集要項・説明会情報は各校公式サイトをご確認ください。