神奈川県の高校入試制度では、公立・私立ともに学校の出席日数や成績が書かれた「調査書」が必要な場合が多いため、
「このまま中学校に行かないと高校に進学できないかも」
「高校からやり直したくても無理かもしれない」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。
神奈川県では、不登校でも高校進学を目指せる、様々な入試制度や仕組みがあります。
学校に行けなくても、自分に合った進学先を検討することができます。
この記事では、中学校で不登校の子が利用できる神奈川県の高校入試制度や、不登校の子でも通いやすい特徴のある高校を紹介します。
【不登校でも受験できる入試制度】
①<公立>長期欠席者に配慮した入試制度
②<私立>学校での成績(内申)を考慮しない/重視しない入試制度
【不登校でも通いやすい高校】
③公立の通信制・定時制高校
④私立の通信制・定時制高校
① 公立高校の「長期欠席者に配慮した入試制度」
神奈川県の公立高校では、長期欠席のために学校の成績が正当に評価されにくい場合に
「資料の整わない者としての選考制度」という入試制度があります。
神奈川県:入学者選抜における選考及び長期の欠席を理由とする選考方法の取扱い申請について
この制度では、2年次・3年次あるいはその両方で欠席が出席日数の1/3以上の場合には
本来ならば中学校2年生と3年生の成績をもとに評価するところ、
2年次の成績のみ
3年次の成績のみ
学校の成績を使わない
のいずれか3種類の選択をすることができます。
学校の成績を使わない場合には、受験日当日の学力検査や特色検査、面接の結果のみで評価します。
この制度を利用する場合は、中学校を通した書類申請が必要になります。
利用を検討する場合は中学校の先生に相談してみてください。
②学校の成績(内申点)を考慮しない私立高校の入試制度
私立高校では、「オープン入試」という、学校の成績を考慮せず、
学力検査のみ(高校によっては+面接)で入学できる高校が多くあります。
中学校の成績に不安があっても、学力があれば十分合格を目指すことができます。
・学校の成績に自信がなくても、模試の偏差値は高め
・勉強を頑張りたい、自分の力で再スタートを切りたい
オープン入試を実施している私立高校の例
✅桐光学園高等学校(川崎市)
選考方法:学力検査(国・数・英)+面接
調査書(内申書)は参考程度、出席日数は評価対象外
ポイント:学力重視のため、内申に関係なく受験可能
真面目に勉強してきた生徒の“リスタート”を応援
✅湘南工科大学附属高等学校(藤沢市)
選考方法:学力試験のみ(国・数・英・理・社から3科目選択)+面接、
調査書の点数化なし(事前に個別相談あり)
ポイント:工業・理系分野にも強く、大学進学実績もあり、不登校や長期欠席への理解もある。
✅向上高等学校(伊勢原市)
選考方法:学力検査(3教科)+面接、
調査書の点数は不問(ただし提出は必要)
ポイント:進学に意欲があるが内申に不安がある生徒を歓迎、
不登校経験者も毎年一定数が在籍し、サポート体制あり
③ 登校・学力に自信がない生徒でも安心できる高校
最後に、不登校に理解のある高校や毎日の通学が難しい方におすすめの定時制高校や通信制高校を紹介します。
私立の通信制高校は学校が近くになくても、近隣の学習センターでの通学回数を最小限に抑えて通学することが可能です。
■ 公立の高校
✅相模向陽館高等学校(神奈川県立・定時制/昼間・夜間)
登校は週4日、昼間か夜間かを選べる柔軟な定時制高校です。少人数のクラスで落ち着いた雰囲気の中、一人ひとりに合わせた学びを大切にしています。人との距離感をゆっくり整えたい方にもおすすめです。
▶ 学校公式サイトを見る
■ 私立の高校
✅鹿島山北高校(通信制)
神奈川県西部の山北町に校舎があり、自然に囲まれた環境で学習ができる通信制高校です。
通学コースや寮のあるコースもあり、自分に合ったスタイルで無理なく高校生活を始められます。
少人数での手厚いサポートも魅力です。
▶ 学校公式サイトを見る
おわりに
不登校経験があっても、お子さんに合った高校・進学先は必ず見つかります。
今は、制度や支援が整いつつあり、「再スタートできる場」が増えています。
親としては不安が尽きないかもしれませんが、焦らず、お子さんのペースを大切にしてあげてください。