「学校に行けないままでは、出席日数が足りなくなってしまうのでは?」
不登校のお子さんをもつ保護者の方の中には、このような不安を感じたことのある方も多いのではないでしょうか。
最近では学校に行くことが出来なくても、自宅や教育支援センターでの学習が「出席」と認められる制度が整いつつあります。
今回の記事では、登校しなくても「出席」と認められる制度について、詳しく解説していきます。
「出席扱い」ってどういう制度?
「出席扱い」とは、実際に登校していなくても、学習をしていることが証明できれば、学校の「出席」として認めてもらえるという制度です。学習していることの証明には在籍している学校との連携が必要になりますが、この制度を活用し、学校へ行かない期間の出席日数を気にしなくて済むのは大きなメリットといえます。
実際に、文部科学省の令和5年度の調査によると、不登校の子どもがICTなどを活用しながら学んだ時間を「出席」と認めるケースが全国で約3万8千件あったと報告があります。
参考:文部科学省 令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
出席扱いとなる例
たとえば、さいたま市では「Growth(グロウス)」という支援センターで、メタバースを使ったオンライン学習を取り入れています。Growthでは、オンラインの仮想空間内で自宅にいながら学習することが可能で、参加することで出席として認めてもらうことができます。
Growthについて詳しく知りたい方は、下記リンクもご参照ください。
参考リンク:
不登校等児童生徒支援センター(Growth)の紹介(さいたま市教育委員会)
Growthホームページ(さいたま市教育委員会)
出席扱いになるための3つのポイント
学校によって対応は異なりますが、主に次の3点がそろっていると「出席扱い」になることがあります。
- 1. 学習計画があること
学校と連携して、家庭や支援センターでの学習計画を作成します。 - 2. 学習記録があること
どんな教材で、どんな授業をどのくらい行ったか、記録として残します。 - 3. 継続的に取り組んでいること
単発ではなく、ある程度の期間、継続して学習している必要があります。
実際に、どんな学び方があるの?
出席扱いの対象になる学習の方法は、次のようなケースがあります。
学びの場 | 出席扱い | 学び方の例 |
---|---|---|
自宅 | 〇(条件を満たせば可) | Zoomで授業を受け、課題を提出する |
教育支援センター | ◎(原則可) | 支援員のサポートのもと、ICT教材で学習 |
オンラインスクール | △(学校側の判断による) | 学校と連携した授業を週数回受講 |
教育支援センターについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください

保護者にできることは?
この制度を活用し、学校へ行かずに出席扱いとしてもらうためには何から始めたらよいのか、
不登校の保護者の方におすすめしたいステップを3つご紹介します。
まずは、「出席扱い制度は使えますか?」と学校に聞いてみましょう。
教育支援センターやスクールカウンセラーに相談するのもおすすめです。
Wi-Fiやタブレットなど、ICT学習に必要な環境を整えましょう。
自治体によっては機器の貸し出し制度がある場合もあります。
オンライン授業の参加履歴や提出課題など、学習の記録をこまめに保管し、
学校側に伝えられるようにしておきましょう。
「通わない学び方」は増えてきています
この制度を活用して、支援センターやフリースクール、オンラインなど、自分に合った学び方で高校進学につなげる方はたくさんいます。
「学校に行かないと高校や大学へ進学できない」なんてことはありません。
お子さんが安心して学べる場所で、無理なく学習していく。という選択肢が、ちゃんと用意されています。
まとめ:今できる一歩を、いっしょに
もし「出席扱い」の制度について詳しく知りたいと思ったら、ぜひ一度、学校の先生や教育委員会に相談してみてください。お子さんが学校に行けない時間にも、“学びを続けている”ことはしっかり認められます。
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出典: 文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等調査」(P71〜80)
自治体事例: さいたま市 教育委員会「Growth」紹介ページ