
中学3年生となり高校進学を意識するようになっても、不登校で授業を受けられていなかったり、もともと学習が苦手な場合だったりすると「どこから始めたら良いのか」「どれくらい勉強をすればいいのか」「受験までの計画はどうすればいいのか」といった不安が大きくなります。せっかく気持ちが前向きになっても、学習面での現実的な不安に直面することで、焦りや不安が大きくなり、気持ちが落ちてしまうこともあります。
ここで大切なのは、復習範囲や基礎部分の「学び直し」と志望校に向けた「受験対策」を同じものとして扱わないことです。学び直しは、いったん分かるところまで戻り、やり方を丁寧に確認しながら、学習への抵抗を減らしたり、自信を取り戻していく取り組みです。不登校、あるいは学習しない期間が長かった場合などは、この学び直しによって気持ちの回復を図ることも大切です。そして、一定の回復を進めながら着手したいのが「受験対策」となります。志望校が決まってきたら、入試方法や必要な教科の範囲を確認しながら、その対策に優先順位をつけて段階的に進めていきます。
やみくもに志望校の過去問を解いたり、中学3年間の範囲を完璧にしようとする必要はありません。いきなり頑張っても、かえって自信をなくしてしまったり、挫折感を大きく味わってしまうだけになることもあります。現在の状態や目標をふまえて、本人に合った学習を進めていくことは、高校入学だけではなく、その後の学習においても活かせるようになります。
この記事で整理できること
- 学び直しと受験対策の違い
- お子さんの状態を4つに分けた進め方
- 入試方式から逆算して学習を絞る方法
- 通信制高校へ進む場合にも基礎学習が役立つ理由
- REOの完全個別でできること
学び直しと受験対策は、目的が違います
| 項目 | 学び直し | 受験対策 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 学習に触れられる状態をつくる。学習への抵抗を軽減し、少し自信を身につける。 | 志望校の合格に必要な点数を目指して、教科ごとに学力をつける。 |
| 出発点 | 本人が現在理解できるところ。いまの学年にこだわらず復習から。 | 志望校の入試科目・配点・選抜方式を確認して、計画を立てる。 |
| 進め方 | 短い時間、少ない教科や単元からでOK。理解度は繰り返すことで確認。 | 過去問や情報から、頻出単元や内容などの傾向をふまえて進める。 |
| 成果の見方 | 過程を重視。正解かどうかよりも、どのように取り組めたのかに注目をする。 | 計画に対しての進捗を確認しながら、受験を意識した姿勢づくり。 |
焦りのあまり、いきなり習っていない単元にチャレンジしたり、過去問を解いたりしても、できない経験が重なり、かえって学習を避ける気持ちが強くなる場合があります。反対に、学び直しだけを続けて、先が見えない進め方をしてしまうと、入試に向けての準備が間に合わないこともあります。
お子さんの状態に応じて、学び直しと受験対策の割合を変えることが大切です。
状態別|今からできる4つの進め方
1.勉強に触れること自体が難しい場合
この段階では、学年相当の教材を単に進めるよりも、「この人となら少し話せる」「数問くらいならやってみよう」といった安心できる関係づくりを優先したほうが良いケースもあります。
雑談などの会話を大切にする、できる範囲を繰り返す、問題文を一緒に丁寧に読みとる、正解と不正解だけで評価しない、など学習への抵抗を減らす取り組みをしながら、安心して学習と関わることができる環境や状態をつくることが重要です。
2.勉強したい気持ちはあるが、はかどらない場合
大まかに見てしまうと「全部できない」と感じていても、細かく分析すると、実際には理解できている部分があることは多いです。教科書を最初から順番にやり直すのではなく、簡単な確認問題や会話を通して、理解度や得意・苦手について分野ごとに整理しながら進めていくことが大切です。
また「勉強のやり方」がつかめていない場合は、本人に合った「やり方」を身につけていくことで、単にわからないところを教えるだけの学習や、ただ繰り返すだけの学習よりも、はかどりやすくなることもあります。勉強したい気持ちを育みながら、自信をつけてあげられるような丁寧で細やかな学習方法が望ましいです。
3.全日制高校などの受験を目指したい場合
まず志望校の選抜方式を確認します。学力検査の教科数、面接、作文、自己申告書など、必要な準備は学校によって異なります。
全ての教科を同じ割合で進めるのではなく、本人の状態や志望校の傾向に合わせて、配点が高い教科、伸びやすい単元、合格に必要な最低ラインを念頭に置きながら進める必要があります。面接や作文の対策では、きれいな言葉を並べて自分を良く見せることよりも、考えていることや高校で取り組みたいことを、自分の言葉で伝えられるような練習が大切です。
4.通信制高校への進学を考えている場合
通信制高校は入試で学力検査がない場合も多いですが、入学後の学習が不要なわけではありません。レポートの問題文を読む、教科書や動画から答えを導く、文章で説明する、期限までに提出するといった力が必要です。
そのため、受験対策としての学習よりも、基礎部分の定着を進めたり、読み取る力や伝える力を丁寧に身につけたり、レポート提出を見越した習慣づけをするなど、入学後を想定した学習が大切です。こうした学び直しの内容は、高校卒業後にも役立つことが多いので、本人の状態やペースに合わせて、じっくりと進めておきたいところです。
受験対策は「志望校が決まってから」ではなく、候補ごとに確認する
志望校が決まっていなくても、候補校の入試を調べることはできます。次のような内容を確認しておきましょう。
- 学力検査は何教科か。各教科の配点と試験時間。
- 調査書・内申・出席日数はどのように扱われるか。
- 面接は個人か集団か。本人・保護者のどちらが参加するか。
- 作文・小論文・自己申告書は必要か。過去のテーマが公開されているか。
- 推薦・専願・併願・一般など、どの入試方式が利用できるか。
- 配慮申請、別室受験、欠席理由の申告などが可能か。
- 出願から入試までの時期。二次募集・追加募集の有無。
候補校Aは学力検査、候補校Bは面接と作文、候補校Cは書類中心ということもあります。必要な準備が見えると、「何となく勉強しなければ」という大きな不安を、具体的な課題へ変えられます。
学習を再開する時の5つの原則
- 始める量を小さくする:最初から無理をした計画を立てずに、まずできることへ着手する。
- 本人が分かるところから始める:簡単すぎるように見える内容でも、「できた」と実感することは重要です。
- 教材を増やしすぎない:どれが良いかと集めすぎずに、本人に合った教材を1種類だけでも、まずは十分です。
- 結果だけで評価しない:点数だけでなく、途中までは合っていた、頑張って解こうとした、前回より1問多くできたなど、過程と変化を大切に。
- 計画を本人の状態に合わせて変える:計画どおりできないときこそ「安心」の環境で、計画の修正や目先の課題への着手を進めましょう。
「勉強しなさい」より先に、環境を整える
「やる気がない」ように見えていても、それは意欲の問題ではなく、「何をすれば良いか分からない」「間違えたり解けなかったりするのは嫌だ」「やり続けられるか不安」「かつて勉強でストレスが強かったので、またそうなるのが怖い」など、様々な理由があることは多く、またそれを言葉にできない子も多いです。
「やりなさい」よりも、安心して始めやすい環境を用意することで、自然と学習へつながることがあります。
REOが大切にしている考え方
REOでは、個別指導塾、家庭教師、オンライン家庭教師、それぞれの形で、お子さんの学習に関わることができます。まずは本人の状態を把握しながら、本人に合ったやり方で、気持ちの回復と目標に向けた学習を進めることができます。
学習を、受験の点数を取るためだけにしてしまうと「つまらない」です。学習を通して、自信を回復したり、人との関係を築けるようになることで、さらに学習への気持ちも育まれると考えています。
REOでは、学び直しも受験対策も、ひとりひとりに合わせてサポートしています。進路希望がまだ決まっていない場合でも、学校選びと学び直しや受験対策を並行しながら一緒に進めることができます。
まとめ|全部を取り戻すのではなく、次に必要なことから
中学3年生からの学び直し・受験対策では、「遅れている」と焦って無理をする必要はありません。現在の状態、学力状況、志望校の入試内容、入学後に必要なことを確認し、優先順位をつけたり整理をすることが大切です。
学習に触れることから始める子、受験科目へ絞る子、通信制高校のレポートに備える子では、ひとりひとりの計画や進め方が違って当然です。本人に合ったスタイルで、無理なく次へつなげていけるような学習方法を選びましょう。
制度・内容の確認に使用した主な参考情報
入試制度、募集日程、学費、各種制度は年度・地域・学校によって異なります。最終的には志望校や公的機関の最新情報をご確認ください。
