
不登校から高校進学を考える時、通信制高校を選択肢に考える方は多いです。登校日数を抑えられる学校、オンライン中心で学べる学校、専門分野を用意している学校など、様々な通信制高校が近年ますます増えています。
一方で、学校数が大幅に増えて、その内容やシステムも多岐に渡る分、「パンフレットを見るとどこも良さそう」「学費や通学日数だけでは違いが分からない」と、選び方に悩まれる声も多くなっています。
通信制高校選びで大切なのは、入学できるかどうかではなく、卒業に向けて続けられるかどうかです。通信制高校は、レポート、スクーリング、試験、それぞれのシステムや学習環境、フォロー体制が学校によって異なります。ここでは、通信制高校を決める前に確認したい内容を具体的に整理します。
この記事で整理できること
- 通信制高校の卒業に必要な基本的な仕組みと確認項目
- 合った通信制高校を選ぶための比較項目
- 費用についての確認事項
- REOの考え方
通信制高校は、レポート・スクーリング・試験で学ぶ高校です
通信制高校では、一般に次の学習を組み合わせて単位を修得します。
| 卒業要件となる学習 | 内容 | 確認したいことの例 |
|---|---|---|
| レポート | 教科書や動画等で学び、決められた課題を提出して添削を受けます。 | 紙かオンラインか。レポート作成や提出のフォロー体制。提出方法、回数、締切や進捗のチェック方法。分からない時に誰へどのように質問できるか。再提出は可能か。 |
| スクーリング | 先生や他の生徒と対面で授業・実習等を受けます。 | 日帰りか宿泊か。場所、日数、時間数。参加時の過ごし方。参加前後のフォロー、参加できなかった時の対応。 |
| 試験 | レポートやスクーリングで学んだ内容の定着を確認します。 | 試験形態、会場、時期、範囲や内容。試験前のフォロー、追試や再試験の制度、体調不良時の対応。 |
| 特別活動 | 各種活動や学校などが主催する行事など、卒業要件に関わる学習です。 | どのような内容があるか。参加方法、オンラインでの学習が可能かどうか。実施頻度や必要時間。 |
高校卒業には、修業年限3年以上、74単位以上の修得などが必要です。したがって、通信制高校を調べるときには、3年間を通じて卒業要件を満たす課題を進められるかどうか、またそのスタイルや内容が合うかどうかを考える必要があります。
「自由度が高い」は、本人に合えば強みになります
通信制高校の自由度は、不登校を経験したお子さんにとって大きな安心になることがあります。朝の登校を毎日求められない、自宅で学べる、自分のペースで予定を立てられる、同世代や集団が苦手な場合は人数の少ない学習環境を選べる、など、様々な利点があります。
その一方で、自由度が高いほど、自分で学習内容や締切を確認したり、分からない時に連絡する力が必要になる学校もあります。本人が自分で管理できない場合は、自由であることが「何をしたらよいか分からない状態」につながることもあります。
だからこそ、「自由度が高いから良い」ではなく、状態に合わせて自分でできる部分と、学校の仕組みを活用する部分、また誰かに伴走してもらう必要がある部分などを分けながら確認しておくことが大切です。
通信制高校を比較する12の確認項目
| 確認項目 | 学校へ尋ねたい具体的な質問 |
|---|---|
| 1.卒業資格を出す学校 | サポート校の場合は提携している通信制高校の名称と、その学校の仕組み。学習システム、学習拠点、サポート校との関係。 |
| 2.スクーリング | 年間で何日あるのか、どこで行うのか、宿泊か日帰りか。スクーリング前後のフォロー体制、また欠席時の振替や別日程での対応があるかどうか。 |
| 3.レポート | 内容や提出数、締切、また、どのような形態でレポートを進めていくのか、オンラインが可能かどうか、進捗の管理や、提出できなかった場合の対応はどのように行われるのか。 |
| 4.質問対応 | 学習の進め方や分からない問題を、誰に、どの方法で、どのくらいの頻度で質問できるのか。 |
| 5.担当者 | 本人や保護者様の主な連絡窓口、また相談に対応してもらえる担当者がいるかどうか。 |
| 6.通学コース | 週何日なのか、日数を選べるか、欠席の規定があるかどうか。途中で日数やコースを変更できるか。 |
| 7.学び直し | レポート学習だけではなく、中学校内容からの復習や基礎学習のフォローがあるかどうか。 |
| 8.進路 | 大学・専門学校・就職など卒業後について、本人に合わせた進路相談ができるかどうか。受験対策が可能か。 |
| 9.学びの環境 | 集団一斉授業、少人数での活動、マンツーマンの個別指導、またオンラインや自習についての、学習スタイル。 |
| 10.保護者連絡 | レポートの提出状況や単位取得状況、また学習の進捗や様子が、どのように保護者様への共有されるか。 |
| 11.費用 | 高校の授業料だけではなく、発生する全ての諸費用。サポート校の場合は、サポート費用も必ず確認を。 |
| 12.合わなかった時 | まんがいちの場合の、コース変更、休学、転校、退学、返金・解約の規定。 |
学費は「高校」と「サポート」を分けて確認する
通信制高校と、学習センター・サポート校・通学コースが一体に見える場合でも、費用の内訳は分けて確認する必要があります。
通信制高校の授業料は、高等学校等就学支援金の対象です。2026年4月から所得制限は撤廃されましたが、支給額、在籍期間、申請手続などの確認は必要です。一方、サポート校の費用は国の就学支援金の対象ではありません。パンフレットに「就学支援金利用後」と書かれている場合も、どの費用に適用された金額なのかを確認してください。
年間費用を比べる時の計算項目
入学金+授業料(単位料)+教材費+システム利用料+施設費+スクーリング費+交通・宿泊費+通学コースまたはサポート費用+受験指導等の追加費用を合計します。
初年度だけ発生する費用、2年目以降に変わる費用、年度途中でコースを変更した時の差額も確認しておくと安心です。
学校選びと、入学後の伴走を分けて考える
通信制高校を選べば、学習や生活の悩みがすべて自動的に解決するわけではありません。高校側のサポートで十分なご家庭もあれば、レポートの計画、基礎の学び直し、気持ちの回復、保護者様の相談を並行して進めた方が続きやすいご家庭もあります。
説明会では、魅力的な特徴だけでなく、本人がレポートを出せなくなった時、スクーリングへ行けなくなった時、連絡を返せなくなった時に、どのような関わりがあるかを聞いてください。ただでさえ気持ちが不安定になりやすい思春期の子を、少なくとも3年間は任せる相手となりますので、困った時の対応も、確認しておくことは大切です。
REOが大切にしている考え方
REOでは、通信制高校を「良い・悪い」で決めるのではなく、「このお子さんに合うか」「卒業後の回復や自信につながるか」という視点で考えます。
REO高等部では、連携する通信制高校に在籍しながら、通学・訪問・オンラインなどを組み合わせ、レポート学習、学び直し、進路、気持ちの回復、保護者様のフォローを、生徒さんごと、ご家庭ごとに完全個別で考えてサポートします。
まだ学校自体を決めていない中学3年生は、中3サポートプランで全日制・定時制・通信制高校・高卒認定などを比較する段階から整理できます。「良い・悪い」ではなく、「どんな形が合うか」「入学よりも卒業、そして卒業後」を進路サポートを行うことが、REOの考え方です。
まとめ|学校名より、3年間の具体的な過ごし方を見る
通信制高校を決める時は、「登校日数が少ない」「イベントがある」「好きなことができる」などの目に見える内容だけで選ばず、レポート、スクーリング、試験、学びの環境、費用、など、実際に卒業がイメージできるかどうかを念頭に確認しましょう。
魅力的な部分だけでなく、本人が動けない時の対応を聞くこと。そして、「良い・悪い」ではなく「本人の状態に合っているかどうか」。こうした視点で選ぶことで、入学後のミスマッチを減らせる可能性があります。
制度・内容の確認に使用した主な参考情報
入試制度、募集日程、学費、各種制度は年度・地域・学校によって異なります。最終的には志望校や公的機関の最新情報をご確認ください。
