対象年度:令和8年度(2026年度)


不登校の期間があると、高校受験に向けて「欠席日数が多いと受検できないのでは」「調査書にどう書かれるのだろう」と不安になることがあると思います。
この記事では、岡山県教育委員会の公式資料をもとに、不登校や長期欠席の状況にある生徒が確認しておきたい制度を、保護者の方にもわかりやすく整理します。
【この記事でわかること】
岡山県立高校入試の基本
県立高校の入学者選抜では、学力検査や調査書、面接などを用いて選抜が行われます。令和8年度(2026年度)の一般入学者選抜では、全ての学校・科・コースで面接が実施されます。また、学校・科によっては実技が実施される場合もあります。
- 学力検査 国語・数学・英語・理科・社会の5教科で実施されます。
- 調査書 中学校での学習状況や出欠の記録などを記載した書類です。
- 面接 令和8年度(2026年度)の一般入学者選抜では、全ての学校・科・コースで実施されます。
- 実技 学校・科によって実施される場合があります。
不登校・長期欠席の状況を伝える「自己申告書」
岡山県の県立高校入試では、欠席日数が多い場合などに、自己申告書を提出できることがあります。
自己申告書は、調査書に記載される欠席日数だけでは伝わりにくい事情や、高校生活に向けた思いを整理して伝えるための書類です。
提出できる人については次のように示されています。
自己申告書は、第1学年、第2学年及び第3学年での欠席日数が多い場合やすでに中学校を卒業している場合等で、中学校からこの用紙を配布された人のうち、希望する人が提出できる
つまり、欠席日数が多い生徒全員が必ず提出する書類ではなく、対象となる可能性がある人のうち、希望する場合に提出する書類です。

自己申告書に記入する内容
自己申告書には、志願者本人が記入する欄と、保護者が記入する欄があります。
- 志願者本人:志願の動機・理由、長所や優れた活動、高校生活への抱負など
- 保護者:高等学校に理解してほしいことがらなど
書く内容に迷う場合は、中学校等の先生と相談しながら、本人の状況や高校生活への思いを整理していきましょう。
自己申告書の内容を面接で確認することがある
令和8年度(2026年度)の一般入学者選抜では、全ての学校・科・コースで面接が実施されます。
また、自己申告書を提出する志願者も面接の対象とされています。
面接では、志望の目的などを確認します。
自己申告書に書いた内容をもとに、なぜその高校を志望するのか、高校生活でどのように過ごしていきたいのかを、自分の言葉で伝える場面になると考えておくとよいでしょう。
POINT:
自己申告書は、提出すれば有利になる書類というより、欠席日数だけでは伝わりにくい事情や高校生活への思いを伝えるための書類です。提出するかどうかは、中学校等と相談しながら確認しましょう。
不登校生が確認したい「フレックス制」入試
岡山県の令和8年度(2026年度)入学者選抜では、中学校等において不登校である者を対象とする「フレックス制に係る入学者選抜」が設けられています。
実施校・科は、岡山御津高等学校 キャリアデザイン科です。
この制度では、欠席日数だけでなく、欠席の理由や学校説明会等への参加など、いくつかの出願条件があります。
出願要件
フレックス制に係る入学者選抜を検討する場合は、欠席日数だけでなく、欠席の理由や志望の意思も含めて確認する必要があります。
- 中学3年生において、原則として年間30日以上の欠席があること
- 欠席の理由が、不登校の状態に関係するものとして示されていること
- 志願校の学校説明会等に出席し、フレックス制を理解していること
病気や経済的理由による欠席は対象から除かれます。対象になるかどうかは、欠席日数だけで判断せず、中学校等を通じて確認しましょう。
令和8年度(2026年度)岡山県立高等学校入学者選抜実施要項では、次のように記載されています。
中学校等での第3学年(義務教育学校については、第9学年)において、原則、年間に30日以上の欠席がある者のうち、その欠席理由が何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により登校しないあるいはしたくともできない状況にある者。(ただし、病気や経済的理由によるものを除く。)
なお、校内教育支援センターや教育支援センター等に通室する者も対象とする。
入試では何をするのか
フレックス制に係る入学者選抜では、志望理由書をもとにした面接が行われます。
面接では、志望の目的や意欲・適性等を確認するとされています。学力検査は、基本的に実施されません。
そのため、本人が「なぜこの学校で学びたいのか」「高校生活でどのように過ごしていきたいのか」を、無理のない言葉で整理しておくことが大切です。
ただし、出願の仕方によっては学力検査が必要になる場合があります。詳しい扱いは、中学校等と確認しながら進めましょう。
調査書の扱い
フレックス制に係る入学者選抜では、調査書の提出は必要です。
ただし、調査書は参考資料とされ、選抜資料とはされません。
実施要項では、選抜の方針について次のように記載されています。
選抜に当たっては、面接の結果及び志望理由書等を資料として、総合的に判断する。
なお、調査書については、参考資料とし、選抜資料としない。
自己申告書とフレックス制の対象の違い
自己申告書とフレックス制に係る入学者選抜は、どちらも欠席日数が多い生徒に関係する制度ですが、対象や使われ方は異なります。
自己申告書
自己申告書は、欠席日数だけでは伝わりにくい事情や、高校生活への思いを整理して伝えるための書類です。
- 欠席日数が多い場合や、すでに中学校を卒業している場合等で、中学校から用紙を配布された人のうち、希望する人が提出できます。
- 一般入学者選抜などの出願時に提出する書類であり、志願先を特定の高校に限定する制度ではありません。
フレックス制に係る入学者選抜
フレックス制に係る入学者選抜は、中学校等において不登校である者を対象とした選抜制度です。
- 令和8年度(2026年度)入試では、実施校・科は岡山御津高等学校 キャリアデザイン科です。
- 中学3年生のときに、原則として年間30日以上の欠席があることなど、出願条件があります。
受検時に配慮が必要な場合の制度
病気や障害、日本語能力等の状況により、学力検査等を受けるうえで特別な配慮が必要な場合は、中学校等を通じて事前に志願校へ相談することになります。
受検当日の環境について配慮が必要な事情がある場合は、早めに中学校等へ相談しておくと安心です。
令和8年度(2026年度)岡山県立高等学校入学者選抜実施要項では、特別な配慮について次のように記載されています。
学力検査等を受検するに当たり、病気や障害等の事情により特別な配慮を必要とする志願者については、中学校等の校長は事前に志願校と十分相談すること。
また、病気や障害等の状況がわかる資料がある場合、医師の診断書や障害者手帳の写し等を添付することとされています。
希望した内容が必ずそのまま認められるとは限らないため、受検当日の環境に不安がある場合は、早めに中学校等へ確認しておきましょう。
私立高校の当日点重視の入試も選択肢に
岡山県内の私立高校では、学校ごとに入試方式や選考基準が異なります。
推薦入試では調査書や内申基準が重視されることがありますが、調査書だけで判断するのではなく、当日の試験結果や面接などを含めて合否を判断する入試方式を設けている学校もあります。
不登校の期間があり、内申点や欠席日数に不安がある場合は、私立高校の入試方式もあわせて確認しておくと、進路の選択肢を広げやすくなります。
入試方式の名称や出願条件、調査書の扱いは学校によって異なります。必ず各校の最新の募集要項で確認しましょう。

不登校の期間がある場合は、各校の募集要項や学校説明会、個別相談で、次の点を確認しておくと安心です。
- 調査書や内申点をどのように扱うか
- 推薦基準が必要な入試か、一般入試か
- 当日の学力検査・面接・作文などの内容
- 欠席日数が多い場合、個別相談で確認できるか
岡山県内の私立高校については、岡山県私学協会の学校一覧や入試案内から確認できます。
POINT: 私立高校は学校ごとに判断基準が異なります。気になる高校がある場合は、募集要項を確認したうえで、学校説明会や個別相談で「不登校期間がある場合の出願可否」「調査書の扱い」を直接確認しておくと安心です。
不登校の子が検討しやすい高校
毎日朝から夕方まで通う全日制高校が合う子もいれば、通信制高校や定時制高校のほうが安心して学びやすい子もいます。
全日制・定時制・通信制の違いについてはこちらの記事でも解説しています。
通信制高校
通信制高校は、レポート学習やスクーリングを中心に卒業を目指す高校です。
毎日の通学が難しい場合や、自分のペースで学習を進めたい場合に選ばれることがあります。
定時制高校
定時制高校は、昼間や夜間など、全日制とは異なる時間帯で学べる高校です。毎日朝から夕方まで通うことに不安がある場合や、生活リズムに合わせて学びたい場合に、選択肢の一つになります。
POINT:
定時制高校は、学校によって学べる時間帯や学科、通学のしやすさが異なります。気になる高校がある場合は、学校説明会や個別相談で、通学時間・学習内容・卒業までの流れを確認しておくと安心です。
私立通信制高校という選択肢もある
岡山県内には、公立高校だけでなく、私立の通信制高校もあります。
通学日数を少なくしたい場合や、自分のペースで学習を進めたい場合は、私立通信制高校も選択肢の一つとして考えてみてもよいでしょう。
岡山県岡山市に本校がある広域通信制高校です。全国から入学でき、レポート学習やスクーリングなどを通して高校卒業を目指します。
REO高等部も提携しています。
▶ 鹿島朝日高等学校 公式サイト
鹿島朝日高等学校については、REOの紹介記事でも詳しく解説しています。
高校受験に向けて保護者が準備しておきたいこと
不登校の期間がある場合は、早めに情報を整理しておくことで、進路選択を進めやすくなることがあります。
- 中学校等へ早めに相談する
- 岡山県教育委員会の実施要項や、志望校の募集要項を確認する
- 自己申告書を提出できるか確認する
- フレックス制に係る入学者選抜の対象になるか確認する
- 受検上の特別な配慮が必要か確認する
- 私立高校・通信制高校・定時制高校も比較してみる
進路は一つではありません。全日制高校だけでなく、私立高校、通信制高校、定時制高校なども含めて考えることで、お子さんに合う高校が見つかる場合もあります。
よくある質問
不登校でも岡山県立高校を受検できますか?
不登校の期間があることだけを理由に、岡山県立高校の受検ができなくなるわけではありません。
欠席日数が多い場合は、自己申告書を提出できることがあります。また、不登校の状態や欠席理由などの条件に該当する場合は、フレックス制に係る入学者選抜も検討できる場合があります。
不安な場合は、中学校等の先生に早めに相談し、本人に合う受検方法を一緒に整理していきましょう。
自己申告書は誰が提出できますか?
自己申告書は、第1学年、第2学年及び第3学年での欠席日数が多い場合や、すでに中学校を卒業している場合等で、中学校からこの用紙を配布された人のうち、希望する人が提出できるとされています。
欠席日数が多い生徒全員が必ず提出するものではないため、提出できるかどうかは中学校等と相談して確認しましょう。
しばらく学校に行っていない場合、フレックス制に出願できますか?
フレックス制に係る入学者選抜は、しばらく学校に行けていない生徒が利用できる場合があります。ただし、欠席日数だけで出願できるかどうかが決まるわけではありません。
中学3年生において、原則として年間30日以上の欠席があることに加え、欠席理由や学校説明会等への参加、志望理由などの条件があります。
また、病気や経済的理由による欠席は対象から除くとされています。対象になるかどうかは、中学校等を通じて確認しましょう。
フレックス制では学力検査はありますか?
フレックス制に係る入学者選抜では、基本的に学力検査は実施されません。
選抜では、面接の結果や志望理由書等を資料として総合的に判断されます。ただし、出願の仕方によっては学力検査が必要になる場合があるため、詳しい扱いは中学校等と確認しながら進めましょう。
受検当日に別室などの配慮を受けられますか?
病気や障害等の事情により特別な配慮を必要とする場合は、中学校等を通じて事前に志願校へ相談することになります。
希望する配慮が必ずそのまま認められるとは限らないため、受検当日の環境に不安がある場合は、早めに中学校等へ相談しておきましょう。
まとめ:制度を確認しながら、お子さんに合う進路を探していきましょう
不登校の期間があると、高校受験に向けて不安が大きくなりやすいものです。
岡山県の令和8年度(2026年度)県立高校入試では、自己申告書やフレックス制に係る入学者選抜など、不登校や欠席日数に関係する制度があります。
高校進学の道は一つではありません。制度や学校の特徴を確認しながら、お子さんに合う進路を探していきましょう。
REOでは、不登校からの高校進学に関するご相談を受け付けています。制度の確認や学校選びで迷う場合は、状況の整理からでもお気軽にご相談ください。
参考・出典
※この記事は、岡山県教育委員会が公表している令和8年度(2026年度)岡山県立高等学校入学者選抜実施要項等をもとに作成しています。入試制度は年度により変更される可能性があるため、出願前には必ず最新の公式資料と志願先高校の案内をご確認ください。
